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ウズベキスタン南部の仏教遺跡が残る町「テルメズ」後編

Salom!(ウズベク語で「こんにちは!」)


この記事は、ウズベキスタン南部の町「テルメズ」紹介の後編です。前半を読んでいない人はぜひそちらからお読みください。

この記事では、テルメズにある遺跡、宗教建造物を紹介します!


〈この記事はこんな方にお勧めです〉

  • ウズベキスタンに旅行に行く予定のある方

  • 仏教遺跡に興味がある方

  • 日本にいるウズベク人と話す機会がある方




宗教建造物


ここからテルメズの仏教遺跡を始めとした宗教建造物を紹介していきます!


①仏教遺跡


  • Zulmara stupa(ズルマラ・ストゥーパ)

  • Fayaz tepa(ファヤズ・テパ)

  • Q’ora tepa(カラ・テパ)


ズルマラ・ストゥーパは非常に大きな仏塔です。

この穴の中から仏像が発掘されました。


ファヤズテパ、カラテパは、僧院と宿泊施設などが一体になった複合施設の跡です。

今は外観の壁や柱のみが残っており、ここがホテルの部屋、ここが僧院、ここが食堂ということのみが分かります。


かなり大きな遺跡であることから、当時の仏教がかなり栄えていたことが伺えます。かの三蔵法師もこのテルメズを訪れたと言われています。


テルメズの中心街にある考古学博物館に行くと、これらの復元模型を見ることができます。

さらにここから発掘された仏像の一部も展示されています。



また、カラテパの隣にある小さな博物館には当時の壁画が残されています。



実は、これらの遺跡の発掘を行ったのが日本の文化人類学者である加藤九祚先生という方です。この先生のウズベキスタンの仏教遺跡についての著書はたくさんありますので、興味がある方は読んでみてください!


②イスラーム建築


7世紀以降はこの地域もイスラーム化していきました。

そのため住民が普段のお祈りに使うモスクもあります。


これはアムダリヤ川沿いにあるモスクです。Googleマップでは「Al-Hakim at-Termiziy」と記載されています。


このモスクがある周辺は「Old Termez(オールドテルメズ)」と言われており、クシャーナ朝時代に仏教文化が栄えたのもこのあたりだと言われています。


続いて、「スルタン・サオダット  モスク」です。(スルタンはイスラーム帝国の王を表す言葉で、サオダットは名前です。)


ここにはサイイド朝という北インドを治めていた一族(サイイド一族)のお墓があります。昔のテルメズの有力者ですね。

サイイド一族はムハンマドの孫が始めた王朝という伝承も残っており、テルメズと聞くと、この場所を思い浮かべるウズベク人も多いそうです。


仏教遺跡を見た後に来ると、ウズベキスタンに戻ってきたような安心感があります。


②キリスト教建築


前述したとおり、テルメズにはロシア人も多いのでロシア正教の教会もあります。


この教会は帝政ロシア時代の末期に建てられたそうです。

教会内部には大量のイコン(キリストや聖人、キリスト教の出来事を描いた宗教画)がたくさん飾られています。


まとめ


前後編と長くなりましたが、これでテルメズの紹介を終わります!

ウズベキスタンと一言で言っても、この国の枠ができたのはソ連時代です。地域が変わればその歴史的背景や文化も大きく変わってきます。


ぜひ旅行に来られるかたは、定番の場所「+アルファ」で有名都市以外の町も行ってみてください!

日本に住むウズベク人と交流のある方は、ぜひテルメズ出身の方がいないか聞いてみてください。加藤先生の話をすると盛り上がると思いますよ。

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