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ウズベキスタンの政治体制②  三権編

Salom!(ウズベク語で「こんにちは」)


今回はウズベキスタンの政治体制の第2回として、ウズベキスタンの行政府・立法府・司法府の関係について紹介します。


〈この記事はこんな方におすすめです〉

  • ウズベキスタンの人と話す機会がある方

  • ウズベキスタンの政治に興味がある方

  • ウズベキスタンでビジネスを行う予定のある方

行政府

ウズベキスタンの行政府は内閣府と、各省庁で構成されています。

省庁は以下の通りです。



この他にも関税国家委員会や、産業安全国家委員会など、独立した委員会も存在します。

また、主要閣僚は以下のようになっています。首相などの主要閣僚は大統領によって任命されます。


※参考:JETRO ウズベキスタン概要・基本情報


立法府

ウズベキスタンの議院は二院制で国民議会(Oliy Majlis)と呼ばれています。

元は一院制でしたが、2005年イスラム・カリモフ大統領の下で二院制に移行しました。



上院の定数は100名で、84名が地方と首都タシュケント、カラカルパクスタン共和国から選出され、残り16名はウズベキスタンの大統領により指名されます。

下院は定数は50名で、各地域の選挙区の選挙により選出されます。

両院とも任期は5年です。

1991年の独立以来、イスラム・カリモフ大統領の支持政党「人民民主党」が大半を占めていました。2005年に二院制に移行した後も、同大統領を支持する新党「自由民主党」が第一党になりました。

2014年、2019年の選挙でも大統領を支持する政党が多数を占め、政策が異なる複数の政党が議席の獲得数を競争することはありません

司法府

ウズベキスタンの司法制度の最高意思決定機関はウズベキスタン共和国最高裁判所です。

民法・刑法・行政法などの司法権を有します。



企業間紛争など経済的に影響のある事件は経済裁判所で扱われます。

他にはタシケント市など各地域の地方裁判所、さらにウズベキスタン国内にあるカラカルパクスタン自治共和国にも裁判所が置かれています。

刑事裁判や民事裁判、企業間の経済裁判では第1審の後、控訴・上告を行うことができます。ウズベキスタンでは、行政権が司法権に介入することも多く、司法権の独立が守られていません。

現ミルジヨエフ大統領は最高裁判所長官の任命プロセスを透明化するなど、司法制度の改革を進めています。

三権の関係



日本では行政・立法・司法は互いに抑制し均衡を保つ三権分立をとっています。

しかしウズベキスタンは行政、特に大統領の権限が強いです。これは独立以来25年間大統領を務めていた前イスラム・カリモフ大統領の統治の結果です。

政治の意思決定のプロセスが市民に公開されなかったり、政治家の腐敗も進んでしまっています。現ミルジヨエフ大統領は選挙の公開性、報道の自由の担保など民主化に向けた改革を進めています。この改革の結果、三権分立に近づいていくのか、今後に注目です。

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