Salom!(ウズベク語で「こんにちは」)
今回から2回にわたって、ウズベキスタンの経済を紹介します。
本記事は基本情報編ということで、ウズベキスタンのGDPから失業率、さらに貿易収支など基本的なデータを示します。
〈この記事はこんな方におすすめです〉
◎ウズベキスタンに進出を考えている経営者の方
◎ウズベキスタンからの技能実習生を受け入れる予定の企業の方
◎ウズベキスタンに行く予定のある方
基礎的経済指標
ウズベキスタンは長年、前イスラム・カリモフ大統領による厳しい外貨規制にあったため、外貨獲得手段がなく、経済成長が見込めない状態でした。
しかし2016年に現ミルジヨエフ大統領が就任してからは、経済の開放・自由化を進めており、大きな経済成長の段階に入っています。
一方で、外貨購入自由化や2022年2月から始まったロシアのウクライナ侵攻による物価上昇が、市民の生活に影響を与えています。
対外貿易
【輸出入額】
先述したとおり、2016年から経済の開放・自由化が進み、特に輸入額が増加しています。
前イスラム・カリモフ大統領は輸入を制限して国際収支の黒字を確保していましたが、このまま輸入額が増加し続けると、外貨準備高の切り崩しが続いてしまいます。
【主要貿易品目】
※2019年時点
ウズベキスタンの主要産業は綿花栽培です。そのため綿織物などの輸出の割合が多いです。また、天然資源にも恵まれ、金・天然ガス・ウラン等が豊富で、特に輸出額に占める金の割合は非常に大きいです。
輸出額に占める一次産業の割合が大きい一次産業輸出型の経済は、工業製品を輸出する場合に比べて輸出品の価格の変動が不規則的です。そのため輸出所得が先進国に比べて、不安定になってしまいます。
一次産業を輸出し、加工品を輸入する現段階から、どのように産業の高度化をするかが課題になっています。
【貿易相手国】
ウズベキスタンの主要輸出入国は、ロシア・中国・中央アジアの国々です。
国家統計委員会の2022年1月時点の発表によると、主要貿易相手国とその貿易額は以下のようになっています。(単位:ドル)
貿易額1位の中国からの輸入の多くを占めるのは機械・設備・電気機械・自動車などの工業製品です。一方で2位のロシアからの輸入は工業製品以外に鉄・植物油などの資源があります。
貿易収支に注目すると、主要貿易国の中で、ウズベキスタンの輸出額が輸入額を上回っているのはキルギス・タジキスタンのみです。
まとめ
ここまでウズベキスタンの経済の基本事項を紹介しました。
経済を自由化してからまだ7年目なので、今後経済がどのように発展するのか、政府の経済政策にも注目していきましょう。
次回は日本とウズベキスタンの経済の関係について書いていきます。
【記事はこちら】▷ ウズベキスタンの経済 日本との関係
〈参考資料〉
・外務省「ウズベキスタン共和国(Republic of Uzbekistan)基礎データ」2022年11月2日参照
・JETRO「世界貿易投資動向シリーズ ウズベキスタン 2020年11月6日」2022年11月2日参照
・. The Tashkent Times「Uzbekistan's top 10 trade partners 2022年3月2日」2022年11月2日参照